第13話

例えば、人が恐ろしい毒矢に射られたとする。

親戚や友人が集まり、急いで医者を呼び毒矢を抜いて、毒の手当てをしようとする。

ところがそのとき、その人が、

「しばらく矢を抜くのを待て。だれがこの矢を射たのか、それを知りたい。

男か女か、どんな素性のものか、

また弓は何であったのか、大弓か小弓か、木の弓か竹の弓か、

弦は何であったか、藤蔓か、筋か、矢は籐か葦か、羽根は何か、

それらがすっかりわかるまで矢を抜くのを待て。」と言ったら、どうであろうか。

いうまでもなく、それらのことがわかっていまわないうちに、

毒は全身に回って死んでしまうに違いない。

この場合にまずしなければならないことは、

まず矢を抜き、毒が全身に回らないように手当てをすることである。

この宇宙の組み立てがどうであろうと、この社会のどういう形のものが理想的であろうとなかろうと、

身に迫ってくる火は避けなくてはならない。

宇宙が永遠であろうとなかろうと、限りがあろうとなかろうと、

生と老と病と死、愁い、悲しみ、苦しみ、悩みの火は、現に人の身の上におし迫っている。

人はまず、この迫っているものを払いのけるために、道を修めなければならない。



1話から31話の話の中で善いと思ったお話は印刷して下さい。
出かける際には鞄に入れるなどして、明日への向上心、日常の『心の支え、心の糧』としてお持ち下さい。

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参考資料 仏教聖典

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